Wasabi

ふさぎ込んでばかりじゃ
引きこもっちゃうから

窓をあければ
ひととの縁に恵まれるから

愛ってよくわからないけど
情なら大体わかるから


もし私が病気じゃなくても
いつか立ち止まっていた
かもしれないから



  *

せがむ私に
二人で行って来いと
テレビを見て居たい父


はじめての東京タワー
高速エレベーター使わずに
階段をかぞえながら
昇った日


記念品のノートとえんぴつを
もらって帰った
幼い兄妹だけの冒険
あれは九段下経由だった


階段なん段あった
記されている数に間違いなかったか


教育ってそういう事


もし私が病気じゃなかったら
子を産むのかと
ぼんやり思う盆の夜


夏の終わりに命日は来る





自由詩Copyright Wasabi  2011-08-13 23:21:50
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