10代の瞳
番田 

何をするにもやる気が出ないようだった。こんな日には早く寝てしまった方が、懸命だ。疲れているわけではないのだが、ただ家に帰りたいように思える一日だった。常識では計り知れないような思いが、僕の中にはいくつもある。それらを押し殺すことで、色々な対価をもらっているようにも思われる。もともと、僕は暗い人間なのだ。だけど、明るい人間に憧れたことなどない。死に憧れたことはあるけれど女に憧れたことなどなかった。今日も川は綺麗だ。僕は誰にも会いたくはなかった。


多くの人には、子供の頃に受けたトラウマのようなものはあるだろう。僕にもそれはあって、今も精神的な打撃となって心の中に打ち寄せる。それは波のようなものだった。心の安らかな日は訪れることはないのかもしれない。そうして苦しみもがいて死んでいく運命なのだろう。



自由詩 10代の瞳 Copyright 番田  2011-08-13 14:02:34
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