原爆と子
アヤメ


夏が白い叫びをあげて走る
雲は低く雨粒はトタンに融ける

小さい足にサンダルを履いて
横顔を向けたままの子どもたち

ある朝の瞬きに
影へと消えた子どもたち

知らぬ間にそれは熱となり
今やこの大気へ飽和しかかっている

持つことと持たれることは
片方の天秤に命だけを残して



自由詩 原爆と子 Copyright アヤメ 2011-08-13 00:50:07
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