ベッドの下
アヤメ


枕の下から ひらりひらり
貴方の写真がベッドの下へ落ちる

忘れなさい 貴女のため
諦めかけた天使の声がする

あの日 私たちは幼くて愛を知った
今日 私たちはその一文字も描けない

ずっと想っていること 貴方には切なすぎて

優しい言葉は決してあなたの本意ではなく
辛辣な言葉こそ私たちには大切で

輝く青春のひとひらを 両手にいっぱい
掬って 囲って 抱きしめていたかった

ベッドの下よ 溜まった綿ぼこり
私の冷たい夏 貴方の去った夏

アヤメ



自由詩 ベッドの下 Copyright アヤメ 2011-08-10 00:23:31
notebook Home 戻る