髪の匂い
吉岡ペペロ

こいつの人生ぜんぶを

過去もいまも未来も

ぜんぶそばにいなければならないと思った


となりで女が泣いていた

手をあたためてやりたかった

肩をあたためてやりたかった

女の髪の匂いがした


こいつの人生ぜんぶを

過去もいまも未来も

ぜんぶそばにいなければならないと思った








自由詩 髪の匂い Copyright 吉岡ペペロ 2011-08-10 00:19:03
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