排水溝へ流れていくのは
01

ベッドは硬い、壁は黴だらけ、安いホテル、安いホテルにいる僕、安いホテルにいた、君。シャワーヘッドから溢れる液体、僕を包む湿度、轟音、それはシューゲイザー、君が好きだと言うシューゲイザー。足元をみる、汚い足、綺麗な足の君は茶髪とパルコに向かうんだろう、安いホテル、安いホテルにいた君、を想い安いホテルのシャワールームで汚い足を見ている安い僕、シューゲイザー、君が好きだという、シューゲイザーになっているだろう?
安いホテル、安い僕、安い関係、シャワールームの中溢れているのは轟音、それはシューゲイザー、それは僕の声だ。
排水溝へ流れていく液体、体液、轟音、

シューゲイザー。


ホテルの出口の目の前は路地裏、此処から僕と君はやってきた、排水溝のような路地裏を辿ってやってきた。

安いホテル、安い君、安い僕、安い関係、が奏でるシューゲイザー、排水溝へ流れていく、排水溝のような路地裏から何処かへ流れていく、轟音、シューゲイザー、君と、僕。

君は茶髪とチケット3000円ドリンク代別のライブに行く、僕は安いホテルのシャワールームで汚い足を見つめる、君の唇をチケットにして、シューゲイザーを聴かせるため、君の唇を3000円で買って、シューゲイザーの中で共に果てるため。

排水溝へ、なにもかも、流れていった、流れていく、路地裏を、液体も、体液も、轟音も、喘ぎ声も、安い、君と、シューゲイザーな僕、も。


散文(批評随筆小説等) 排水溝へ流れていくのは Copyright 01 2011-08-07 11:39:15
notebook Home 戻る