金魚すくい
田園

ひらひらと水にたゆたう金魚
その小さな赤が目に焼き付いて
あの日の浴衣、後ろ姿をリフレインさせる

僕はあの子の白い手を見て
隣にいる誰かを見て
佇んだ
友人とたこ焼き屋に並んでる最中だというのに
まるで水の中

金魚はたゆたう
僕もまた。
小さなさざなみにゆらゆら揺れる

君は誰かのものだった。



自由詩 金魚すくい Copyright 田園 2011-08-06 15:41:39
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