きみの夢をみた
宮野

きみがそうしている間に、またたく間に、陽はおちて闇になる

傷んだ毛先だけをきるように
きみのことも切り落としてしまえたらどんなにいいだろうか
睫毛にかかる前髪がもうすこし伸びたら
そうしたら思い出なんて柔なもの燃やしてしまおう
夜に生きたい、闇に

目を閉じてしまえよ
縫いつけてしまえよ
鉛みたいな恋心を
底なしの沼に沈めてしまえば


さみしい月の冷笑が
まるで同情
いっそのこと雲に隠れ
雨なんて降らせてくれたら


あたらしい時間
ぬるくなったココアは季節外れで
それでもやめないのはきみがまぶたにいるから



もう夜だから
おやすみ




自由詩 きみの夢をみた Copyright 宮野 2011-08-06 12:49:26
notebook Home 戻る  過去