原発について
馬野ミキ

火力発電所、はんたーい!






ということは
ピントがズレている






でも、
どのピントから

ずれているんだろう








火力発電所はどんなエネルギーで動いてるか
もちろんそれは、火の精霊 サラマンダーの動力によってだ












風が吹いている
と誰かが歌う
地殻変動が起きている
とは誰も歌わない














おんなじことだろ?


















知り合いに
東京電力の社員がいて
弱いものいじめがきらいで
家族を守るために音楽をやめたけど
いまでも半年に一回くらい酔っ払って
電話が来る
一流企業に就職したという自信と
みきちゃん俺このままでいいんかなという不安を
10秒以内に
同時にあわらす
とても正直ないいやつ

















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熊が人を殺す
猿が街を走るだけで地元の警官と消防と青年団が総動員される
森に工事車両が入り区画整理される
赤坂サカスを
一匹のミミズが這ってるだけで小さなパニックになる
「ミミズ超キメェ」と誰かが言った
携帯でミミズの写真を撮る女の子がいる
それから、リストラで
ガードマンになった元部長の加藤がミミズを捕獲した





加藤は、従業員控え室でミミズを見つめた
立派に越えたミミズだった
きっと、よい土のなかで育ったのだろう















俺は反原発団体にコンタクトをとり
反火力発電でも協力しませんかとメールを送った
俺は谷川俊太郎とも共演したことのある
いわば、日本でもトップクラスの詩人だ
サラマンダーの力を、人々はみくびっている
かつて江戸では、殺人と放火は死刑だったという
それだけを伝えたかった










「国民のための反サラマンダー」というTシャツを1000枚作った
このTシャツを着たのは俺一人であった
このように革命とは、まず
自分自身の心に対して
自分自身が起こすものなのかもしれない。


自由詩 原発について Copyright 馬野ミキ 2011-08-05 18:37:29
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