草原
未有花
夏の風が呼んでいる
遙かなる草原の向こうで
草原の緑のさざめきは
どこへ導こうとしているのか
誘われるままに
草原をずんずん進んで行くと
やがて目も覚めるような黄金郷
神殿に祈りを捧げる人たち
人々は互いに
ひとつの道を指差していた
彼らの待ち望んだ
救世主の来る道を
草原の向こうは
私の知らない世界
行ってはいけないところ
二度と戻らない伝説
夏の風は急ぎ足で
麦わら帽子を奪い去る
もうすぐ夏が終わるという
知らせなのだろうか
自由詩
草原
Copyright
未有花
2011-08-03 08:14:15
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