作文教室
yo-yo

あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やすみじかんに、こうていで、やきゅうをしました……
それは楽しかったことだ。しかし文章にしてみると、すこしも楽しくなかった。

一日のあったことを、ありのままに書いたらいい、と先生。
ありのままに書くとは、どう書くことなんだろう。楽しかったことを、楽しかったこととして書くとは、どう書くことなんだろう。
そもそも、なぜ文章など書かなければならないのだろうか。
ぼくは書くことが苦手だった。というか、文章というものが書けなかった。

ありのままを言葉にする。あるとおもえるものを言葉にする。
でも言葉は、ありのままやあるとおもえるものに寄りそってはくれない。
あの小学生のときの疑問は、いまも解決されないままで、悔しい思いはつづく。
かくてこの夏は、ボランティアもする。新潮文庫も読む。

吉里吉里村の『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』。
作文の秘訣を一言でいえば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね――
井上先生は、やさしい言葉で難しいことを教えてくれるだろう。
夏休みの宿題が、また増えそうだ。







自由詩 作文教室 Copyright yo-yo 2011-08-03 06:24:47
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