黒い鏡
吉岡ペペロ

電車がトンネルに入ると

車窓が黒い鏡になってしまった

深海の底をたどるように

てのひらをあたためる

ぼくは世界を見つめている

こころの闇なんか信じていない


ぼくはこころのひかりを信じています

あなたの歌う母の歌が

ひとりごとのように聞こえています


電車がトンネルに入ると

車窓が黒い鏡になってしまった

深海の底をたどるように

てのひらをあたためる

ぼくは世界を見つめている

こころの闇なんか信じていない






自由詩 黒い鏡 Copyright 吉岡ペペロ 2011-08-02 23:55:12
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