黄昏に
アラガイs


見えてくるものは伝説にちがいない
…死ね… と言われないのが何よりもつらかった
誰も彼もが煙りのなか幻と消えて
夜が遠く、淋しい季節には熱い珈琲がよく似合う
湖を見つめている
波はいつも穏やかな芦に響きあい
苦しいのなら
………ながれにのる鴨よ……
おまえもひとり…
と、声は風に消された。

夕暮れは容赦なくその刻を告げて
そろ そろ そろ
さまよいながら、歩道は別れ
入り江の近くで小さな波紋が跳ねた
(笑わない
笑えない色づいた葉が、落ちてゆくよ
木霊はたくましく
(そんな)淋しい季節にはあなたを受け入れる
きみもそうであるように…
…わたしが何ものでも、なかったように 。








自由詩 黄昏に Copyright アラガイs 2011-07-31 03:49:36
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