遙かな月に愛しさの衣を
洞野いちる

闇を彩る星たちは
静謐(しず)かな炎を纏い
熱き魂の唄を奏でる

遙かな月に手を伸ばす
掴めぬ あなた
信念(まこと)抱き 何処(いずこ)へ

涙は光の絲(いと)となり
切なさと恋しさこきまぜれば
夜空に愛しさの刺繍する

遙かな月に手を伸ばす
届かぬ あなた
契りの言葉 何処(いずこ)へ

歪む時代(とき)の器に抱かれるあなたに子守唄を
愛しさの衣 そっとあなたにかけ
やわらかに口ずさみましょう

有明の月に手を伸ばす
遠くても あなた
慕う気持ちは 変わらない

永久に……



自由詩 遙かな月に愛しさの衣を Copyright 洞野いちる 2011-07-30 06:54:13
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