夏の終わり
アラガイs


季節は黄金色輝く稲の穂を尻目に、よくできた鳶色の瞳で追いかけるように単純には語れない 。
晴れ渡る日には地図を描いた布団を干す傍らで、照れ隠しに外へ飛び出す少年の姿も
大きく翻るスカートの裾を気にしながら、たくましい足でペダルをこぎ続けて走り去る赤ら顔の少女も
溶けだしたドライアイスの正体が実は煙りのなか混声して聴こえるお経だと知らず知らずのうちに
古い記憶のなかでしかその姿は存在しないのだとしたら
「眩しさは渇いた化石」
あなたは照りつける日射しのなか汗をかきながら、何を純粋さと呼ぶことができるのだろう
人類は叫ばずにはいられない
(すでに太陽の日射しは死んだ
夢)もはや害悪なのだと 。








自由詩 夏の終わり Copyright アラガイs 2011-07-27 04:47:36
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