渡る部
砂木

飾り部に出入りされている木の
皮をはがせば しらじらと 
預けられていた夜中が
てっぺんから ひるがえり
白い髪を吐き まるまり落ちる

梳いていた指達
歩いていた足達
口づたいに行くメロディー

根のない木は風で運ばれ
飾り部は しきり一夜を越えてくる
強く萌える緑のある時は
光に憧れ傾いて倒れる
倒れたままの木を 風が連れて行く

望まれた時だけ 土に立つ
這い出る声が消えないうちに
風に乗り 地界を離れ

はがされた皮のかけらが
塚に 声を うづめる









自由詩 渡る部 Copyright 砂木 2011-07-24 11:29:31
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