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アラガイs


僕らの時代は再び春の陽射しに芽吹いた大きな花びら
(ひらひら)と蝶々は飛びかい
星空をあの輝く太陽のように見つめていたんだね 。
それでも(根性)とか(努力)とか、涙を汗のように拭いながら生きることばかりを教えられて
(あの人)宇宙の果てを想いながら二粒の種だけを落として消えていった。
絡みつく蛇の尾を毒牙の印に変えたまま、小さな誇りを捨てきれずに忘れられた 。
それは
(ひとつ)吐く息が途切れたら世界は宇宙の果てまで歪むから
(パラパラ)と滲む花びらだけが散ってゆく
「死は種を蒔く
種は生を蒔く」
蒔かないわたしは無色の花びら
死にきれないから(疎われた)
(なるようにならないから)と、疎われた 。

「散りゆく「もがく「「苦しむ「怒る「あきらめる」
「生かされている」その理由をわたしは聞けないままに
(神様)昼間のうちは怠情に身を任せ
夜が明けるとまた暗い病室に戻りなさいと
それは(あなた)の声が耳元であまりにも美しく
「無駄に生きている
息までも」無駄に吐いているその知恵や努力や忍耐の二文字が
(ある時)を境にして空虚な文字に流されてしまった
(その)涙を二度と帰ることのない笑いに置き換えたとしても

孤独は偽りの花びらで空の隙間を埋める。
ひとり透明な箱の中に被い隠す虚像
(何も)蒔かないで生きてきた 。
(種)は死をくりかえし
偽りをくりかえし
(崇高に)わたしはあなたから囁かれ続けて
(生きている)
だから
こうして疎われている 。








自由詩 通告 Copyright アラガイs 2011-07-23 05:51:33
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