春空
夜雨

 堤を越えてひたひたと
 毀れ出る
 雪融けの水のように
 当て所なく膨れ
 拡散していく
 春空

 打ち仰げば
 溢れ落ちる光の
 飛び散る飛沫の
 血潮に濡れた
 はるけき静けさ

 その果てに
 萌木のように滲む涙を
 君は見るだろうか


自由詩 春空 Copyright 夜雨 2011-07-22 04:54:56
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