がちゃがちゃ
ズー


平凡な服を着て、平凡な食器で食事をする、くつ下にいれる足もいたって真面目、
それらをおしこめておく革靴も、
どこにでもありそうなドアノブをまわし、いつものところに鍵を置いて、アパートのむかい、

たばこ屋のおばちゃんに「ピースふたつ」の挨拶が登校中の楽しんご三人組にかき消される、ランドセルの留め具をちゃんとしてない子が、がちゃがちゃ笑う、いつもより大きい声で「おばちゃんおはよう」ってか、
はやく学校にいけ!

バス停に向かい、西に歩く、何回か口につけたたばこを足元におとし火を消した、見慣れた電柱の前、
そろそろと見上げると、誰が括りつけたかイエスさまの像が見下ろしている、あんたも大変だ、電柱の根本にまだ吸ってないのを、一応、さしとくから、

ここのバスはルーズだから、まだ、あんなに薄い色で、あんたも待ってるのか?なわけねぇよな、でも、ずっと、見ているようで、少し、気持ち悪いよ、きみ、
一本松のかげにはいる、錆だらけのバス停の背中に、蝉時雨、
淡い色のバスが止まっている、横断歩道に、
三人組が踊っているんだが、まったく、遠い、なにがなにやら、楽しそうなのはわかったから、しっかり、学校にいってこい!って、イエスさまがおっしゃってまーす、
もう一服するだけの距離をがちゃがちゃがゆく、


自由詩 がちゃがちゃ Copyright ズー 2011-07-20 22:15:38
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