セックスと雑感
はだいろ

今日もとっとと定時退社して、
寄席に行ったら、
雨だしガラガラだろうと思ったら、
どっかの団体客で満席だった。
ふだん、落語なんて、興味もない客層なのは明らかで、
なんだか居心地が悪いなあ、と思ったけれど、
よくよく考えれば、ぼくだって、
ちょっと前まではまったく同じだったわけだし。
それで、そんな団体客のなか、斜め前に座った女性が、
あまりにも美しく可憐なので、
見とれてしまった。
隣の男は、どうでもよいような感じの男なのに。
ぼくは密かに憤慨をしたが、
いったい何に腹が立つのか、よくわからない。
あんなきれいな女のひとと、セックスをしたいのだろうか。
でも、そのとき、ぼくのちんちんはちゃんと用を足すのだろうか。
おととい、彼女とセックスしたときは立派なものだった。
人生は難しい。
三三は、「妾馬」だった。

その週末、
ぼくは彼女の家で、朝三時に起きて、
ちゃんとなでしこジャパンをひとりでテレビ観戦した。
今まで、ぼくが見たスポーツの中で、ザ・衝撃ベスト3を挙げると、
①1989年のパリーグ、西武戦ダブルヘッダーでの近鉄ブライアントの4連発ホームラン
②1989年のマイク・タイソン、東京ドームでの信じられないノックアウト負け
③1978年の阪急ヤクルトの日本シリーズ、上田監督の1時間以上の猛抗議
なのだけど、
感動ということでいえば、
あの沢選手の同点ゴールは、今まででいちばんだったかもしれない。
そのくらい、絶叫したけれど、
ベッドで寝ている彼女は起きもしなかった。
昼休みに、サッカーマガジンや、サッカーダイジェストを立ち読みしたのだけど、
なぜか、
両雑誌とも、女子サッカーには各選手個人の採点がない。
つまり、真剣勝負のスポーツではなく、
エキシビジョン、もしくはアマチュアの扱いなのである。
専門誌がこれでは、所詮、一過性のブームで終わるのではないだろうか。
そうなってほしくないけれど。


それで、スポーツ新聞を、
なでしこの感動を求めて買いまくったら、
東スポで、たけしが、いつものように一面で放談しているのだけれど、
それに、ちょっとカチンときてしまう。
タモリのことを、
「タモリ程度」と言っているが、
そんなこといえば、たけしだって、
「たけし程度」でしかないじゃないか。
ロートルな海外の映画祭で評価されたからって、
ぼくはたけしの映画なんて、たいして、いや、ちっともいいとも思わないし、
タモリの肩を持つ訳じゃぜんぜんないけれど、
赤塚不二夫のお葬式で、「わたしはあなたの作品です」と言ったとき、
ぼくはタモリはタモリとしてなにかしら超越した存在だったと思う。
死にそこなったたけしなんか遥かに超えて。
だけど、「日本のお笑いを根本的に、永遠に変えてしまった」という、
たけしが、
笑点をバカにし、歌丸の落語を、聞いてられないなんて、
こんな大衆紙の、
つまり、落語なんか聞かない人に向かって、
しゃべることで、
ちょっと自分の立ち位置を見せつけているところが、
なんともぼくには不愉快で、
そうゆうぼくみたいな人を対象にしゃべっていないところが、
たぶん頭のよいところなのだろう。
でも、いったい、たけしは、歌丸の落語を、いつ、どこで、聞いているのかと思う。
聞かなくてもわかるなんていうなら、あんたの映画だって見なくてもわかるよ。
ぼくの見た歌丸は、じゅうぶんに面白く、素敵だった。
高田文夫は、こんな発言をだまって許すのだろうか?


そういえば、
もうしばらく、風俗を利用していない。
なぜ、風俗のことを急に思い出したかというと、
その東スポで、西村賢太が、エロ欄に風俗体験談を書いていて、
芥川賞作家なのに、
じつに偉い、
そして、落語ファン倶楽部という雑誌で、
西村賢太は、熱烈な高田文夫讃歌を寄稿しているのである。
ぼくがラジオビバリー昼ズを熱心に聞いていたのは、
ブライアントが王者西武ライオンズをこっぱみじんに粉砕した、
1989年のことである。
浪人生だったから、よく覚えているのである。









自由詩 セックスと雑感 Copyright はだいろ 2011-07-20 21:51:42
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