さいごを逃げる
中川達矢

駅までの道にはなかった
信じられない

ホームでは
ゆっくりと背中を押す

きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める

逃げ出すための
手段としては
陳腐だろう
それよりも
少しぐらいは
かっこいい信じられないを
みとどけたい

レールの上では
にくとほねとが
浄化できないから
どうか
さいごぐらいは
焼かれていたい

世界の
赤を
ひとにとどけるため


自由詩 さいごを逃げる Copyright 中川達矢 2011-07-18 21:30:06
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