星に願いを
透明な魚
黒くてまあるいテーブルに
まあるい背もたれの黒い椅子
空は何処までも黒くて
此処は光の帝国だ
暗闇に生えるシャボン玉の七色の渦巻きを見ている
僕が毎日学校に行って普通に暮らしていても
僕が元々普通で有るという証明には全然ならない
皆そんな大事な事を気にもしない
必要十分条件と思う
軸のずれた回転物は静止した状態ではその異常に気がつかない
僕がそうだと気がつかれなければ僕は所謂・・・普通なのか
ぴったりであると
ぴったりしない
の許される範囲を見極めれば
其処には一つの物語があるだろう
物語とは答えでもある
大抵の物語には答えがある
答えが無いような物語には
物語そのものに
そもそも
特別な仕掛けが施されている
b−玉のような木星が
気もふれるような壮大な気象だと思うとき
そのことについて考える事で
普通でいられなくなるときがある
大赤斑の大きさが地球3個分なんて
どうしても薄気味悪い
いや、全然言葉は足りないんだけど
光の帝国の夜が明けてきた
いや木星がそのまま落ちてくるんだ
巨大なソリトン波の中で
いや無限に考えることを願っている
木星と僕が消えて
黒くてまあるいテーブルと
まあるい背もたれの黒い椅子
すれすれにシャボン玉が回転していて
崩壊の兆しを数えている