強くあれ、ただ強くあれ
西天 龍

いさかいの中ではあったが
向こうが透けるような男ではなかったか
理を曲げず、筋は通せたか

虚勢の向こうにある
哀しい心憐れむこと
できたか

微かに怯え
震える相手の声憐れむこと
できたか

誰に当たり
誰に嘆けばいいのかと
独り言にも訴えることなど
なかったか

強くあれ、ただ強くあれ
今日も川は流れ
山はそこにある


自由詩 強くあれ、ただ強くあれ Copyright 西天 龍 2011-07-15 10:31:49
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