火の国へ
subaru★

燃えたぎる汽車が
青白い草原の海を駆け抜ける

焼き切れぬ想いを馳せた
米粒ほどの露の身を乗せ
今日も間引くことなく 汽車が走る

私達では この手ですくえなく
来るなと追い払う火の粉が熱い

水の国の人達では あまりにも熱すぎて
火の国へ導かれた君を
私達は見送ることさえも許されず
その想いが痛い

私達は臆病で ただ水浴の日々
永遠にれない火の国
やっと辿りつけたと君は喜ぶ

濡れない羽衣を背負い
もう二度とてつかないと

君は火の鳥になって
私達に言わぬが花を この水の大地に投げつけた

青ざめた海原が
緑為す草原に変わるようにと願いを込めて 


自由詩 火の国へ Copyright subaru★ 2011-07-11 17:59:59
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