火の国へ
subaru★
燃え滾る汽車が
青白い草原の海を駆け抜ける
焼き切れぬ想いを馳せた
米粒ほどの露の身を乗せ
今日も間引くことなく 汽車が走る
私達では この手で掬えなく
来るなと追い払う火の粉が熱い
水の国の人達では あまりにも熱すぎて
火の国へ導かれた君を
私達は見送ることさえも許されず
その想いが痛い
私達は臆病で ただ水浴の日々
永遠に昏れない火の国
やっと辿りつけたと君は喜ぶ
濡れない羽衣を背負い
もう二度と凍てつかないと
君は火の鳥になって
私達に言わぬが花を この水の大地に投げつけた
青ざめた海原が
緑為す草原に変わるようにと願いを込めて