長押 新


女は
口汚く
男を罵っている

酒のいきおいか
それは
女の本心か

しなやかな体つきとは
反して
雨が降った後の

コンクリートのように
舐め上げたら
舌から血が流れる

そういった類の
罵声が
半分輝いた目で
口走られて

口紅塗った
二人は
並んで座っている

はめ殺された
窓のそとに
世の中の景色が見える

男の腕の
ディジタル時計が
少しはやく進んでいた

そういった類の
罵声が
通気孔から
ほっぽり出される





自由詩Copyright 長押 新 2011-07-08 13:37:03
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