憧れ
未有花

青い波間に漂う
コバルト・ブルーのきらめき
画用紙に彩られた海は今でも
烈日を待ち焦がれている

*

雨の日は部屋の中でひとりきり
孤独を思う存分楽しもう
外国の歌手が歌う
レコードに耳を傾けながら

*

朝顔の模様の浴衣を着て
今宵君と花火見物
硝子の風鈴リンと揺れて
レトロにときめく夕暮れ

*

茜色の空の向こうに
こだまする君の声
がんばってみるよもう少し
レールの先に明日を夢見て

*

愛を失うことを恐れない
こんな気持ち初めてです
がりりとあなたがかじった
檸檬をひとつ私にください

*

鮮やかに鍵盤を滑る白い指先
鼓動は幾度も高鳴って
楽譜をめくるたびに続いて行く
連弾という言葉に憧れている


自由詩 憧れ Copyright 未有花 2011-07-08 08:32:01
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
あいうえお作文