青らむ、
石瀬琳々

青らむ、夏の
わたしの首すじ に
風がひそかな挨拶をおくる


揺れやまぬ草の穂先のいじらしさ
痺れた指でもてあそびながら
あなたのことをかんがえる


青らむ、人の
まなじりの鋭さ に
わたしの夏がはじまってゆく


白いドアからのぞく腕の地平線
あなたの手のひらから潮の匂いがして
海にすでにさらわれている


青らむ、波の
響きが して静か





自由詩 青らむ、 Copyright 石瀬琳々 2011-07-07 13:45:10
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