door
美砂
ぼくの前に
ほんの少しだけ
あいたドアがあって
あまりにも少しだったから
ドアのむこうがわは
みえなかったが
ドアはたしかにあいていた
そのうち
あいたドアから目をそらせて
あいていることを忘れようと思ったが
風がふきこんでくる
ぼくはドアをしめようとした
だがしまらなかった
それはしまらないドアだったから!
ドアはあいたまま
ほんの少しあいたまま
ぼくは
しめることができない!
ゆくこともできない!
なにもみえない!
だが
あいている、
あいている、
ずっと
あいている
自由詩
door
Copyright
美砂
2011-07-07 10:47:37