にっし7/6 ベランダ
フミタケ

離脱して/ありつく
手のひらにおさまるくらいの
ベランダの時間
近隣の明滅
面倒くさい杞憂
目を合わせ無条件に挨拶
すれば良いのに
足下ばかりを
気にして怯えたように
盗み見る
だれかと親しくなりたかったら相手の職業を尋ねない/こと
未来がある若さ
とかなく
1人の人間の今
向き合わないと2度と会えなくなってきっと悔やむだろう/ね
赤信号でも止まらない
パトカー
みたいな吸血鬼
が喜々として強引にUターン
し/信号無視を追う
T字路
が見えて/ぼくは
流血色のサイレンをねらい
なげつける
手のひらにおさまる/おもい塊を
ふりしぼって
なげる


自由詩 にっし7/6 ベランダ Copyright フミタケ 2011-07-07 01:17:29
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