110704
唐草フウ

すこしずつ失いかけている
じぶんのもの
だれかのもの
時間
神経
ほね

すり減らし、こそぎ落とし
さいごには糸になる
糸くずで
とんでいく
どうとでもかまわない


何度も何度も
父を殺したことがある
だけどおわりはない
何度も母は
不安がるわたしのまえで嘔吐して
わたしは吐瀉物を
片しては
憤慨している
この先を迷っている
世話をかけ心配をかけられることに
へきえきしながら
気づけば息があらく
冷や汗で目がさめる


日常ではそんなことを
かくしながら
おだやかにゆるやかに
ほぐれたりきゅうっとしたり

いいこともわるいことも


いつかはきえてゆくんだから

いつかは

きえても心には
ざるにあげてふるいにかけたものが
頻脈な心臓に
目に
つきささっている



何かが変わって終わる前にある胸のさわぎを
自分ひとりで抱え込むけど
本当はぐしゃぐしゃなんだ








自由詩 110704 Copyright 唐草フウ 2011-07-04 02:17:51
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