都会の暮れ方
たもつ

 
 
生温かいザリガニが
真夏の都会を歩く
いたるところから車や人や
ラッパの音が聞こえてくる
そんな暮れ方である
炭酸水を買ってくるように言われ
下働きが走る
近道のフェンスを越える
ザリガニはタクシーに乗る
後部座席、生きて何度目かの
脱皮をする
 
 


自由詩 都会の暮れ方 Copyright たもつ 2011-07-02 17:45:59
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