枯れ蜻蛉のはなし
とろりす
枯れ蜻蛉の体は青かった
貝の内側ように鋭く光る腹
砂漠を行く風は 美しい彫刻をつくった後
その青みでひと休みした
もっと小さな虫たちは その鮮烈に心を手に入れた
今はもうどこにも
ひからびた羽があるだけ
自由詩
枯れ蜻蛉のはなし
Copyright
とろりす
2011-07-01 14:00:50