刻印
こしごえ





薄明の時計の刻む音は、
いつまでも初まりを歩み
エボナイトの光沢がにおう黒光り
遠い山脈は墨色に燃えて春の
おとずれをいまかと願う白日の、
足もとにも咲く花の。。
残雪へ便りを書く
(万年筆)自問してみるいま一度
書くべきことを(あおい血液、
、インクは伝わり、道をしめすだろう、か
空の青さよ
いまのいま、いまいまか、わたしにいまは
無い時
すべて
ひとつの輝く星は夜を待たず。。。。。。
いつも忘れていることがある
この目は仄暗く
白紙をみつめる
明けない夜をおもい出せない行間
明日の一行を書くのは宙をささえる骨
冷めた視線の無表情な空に
四肢をなげ出している秒針は
ささやかに咲いて 咲いて
かつて
結晶は舞いおりる時幽かに無音でした
その時わたしは静かにうたう
初めての初まりに深く、
あの空へかえそう)書くために。
その役目を
果たし終えるまで道をつらぬく
そのひとは
仄暗い机に広げる
宇宙の縁を
超える
いまも
円の両極性がくびれた無限におちる
砂時計の砂にさざなみはよせる
あとにのこるのはいつも
無量の放物線













自由詩 刻印 Copyright こしごえ 2011-07-01 08:51:40
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