(U地区)の青
ズー
入道雲の浮かぶ
背丈ほどもある草むらの
風の抜けていく
ふかみどりに、時折
沈むようになった鉄条網
(U地区)と
わたしが、そう
呼びつづけた街の住人
たちが、みなで立てた
鉄の柵に、沿うように
マキシ丈のワンピース
を着ている雲が
鉄の編み目に巻き
つく影をわすれていく
空を見上げれば
胃が痛くなるほどに
夕立に揺れていたヘチマ
のような住人たちを
掻き分けていく
青があった
また、家に帰るための
体を探している
わたしたちを
冒さないで
消えていく
青らしい青が
(U地区)と
わたしたちは
ぶら下がる
あまみずを
ひろいながら
はたらいて
ぶら下がる
ヘチマのよう
ここから
向こうに
抜けていく
風に
夕立に
揺れていた
入道雲の
となりの
青に