洋菓子党宣言
電灯虫


「ショート」の意味も分からずに
スポンジとクリームに
苺のしっかりとした感触と
ジュっと感じる酸味も一緒に
一回に二個は味わうショートケーキ。
チョコケーキのほんのりした苦味も
少しばかりの大人感覚をくすぐるし
栗の美味さで勝負する
モンブランの率直さもたまらない。
流行った当時のティラミスがする
新人類的主張は今も嫌いじゃないし
レアチーズの職人らしさも捨てがたい。
ホットケーキは思い出の数だけ味わえて
みたらし団子に浮気しても
シュークリームに諭されて
洋菓子の旗の下に舞い戻る。
コーヒーの苦味がバシっとくる
舌年齢の味らいの衰えに関係なく
日本男子として
洋菓子に舌鼓を激しく打つ。




自由詩 洋菓子党宣言 Copyright 電灯虫 2011-06-26 16:55:19
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