祈り
ゆえ




しぐさやことばの切れ端を
拾いあつめてはにぎりしめた
あおく、すきとおる幸福が
ちいさく開いた距離を彩る
隙間さえ埋めようとするかのように

きっと知らなくても生きていけた
でもふたりはいくつもの夜になりたがった
互いのこきゅうを知られまいと

くるしさから逃れようと
じっと手をつないで祈った
ちっぽけな、たいおんに救われるのを信じて

指先から発火する銀の火花
いつかは掴まえてみせよう
形が無くても分かる
つなぎとめたこの熱さえあれば




自由詩 祈り Copyright ゆえ 2011-06-26 12:09:35
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