墓標
ゆえ
どろりと濁った沈黙は
息苦しい熱を孕んでいる
ぽつりぽつりと見えるのは
白々しい墓標の群れ
太陽の乱反射が突き刺さる
コンクリートがぶすぶすと音を立てる
それは悲鳴に似ていた
不定形の意識が溢れ出す
重たく横たわる夏を切り裂いて
ああ、蝉が泣いている
自由詩
墓標
Copyright
ゆえ
2011-06-25 21:51:20