残滓
ゆえ



乾いた草が舌の上を這い
取り出せずに残ったものが
息を潜めてうずくまる
理解している
彼らはやがてそこで死ぬ

指先にこの身体を切り開くちからがあったなら
腐敗を免れたかもしれないね

いつまでも辿り着けないと
嘲いつづける
浸された絶望から逃げられない
沈んでいくのを待っている

声を殺して
沈黙のうちに今日が終わる



自由詩 残滓 Copyright ゆえ 2011-06-24 18:21:40
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