アダムスファミリーのハンドさん
電灯虫

アダムスファミリーのハンドさん。
勝手にそう呼んでた。
まさに「手」だけの存在で
不気味にはならず
指を使って歩く仕草が
タカタカ タカタカと発する音と
一緒に好ましく思えて
愛嬌まで感じる
不思議 不思議な
アダムスファミリーのハンドさん。
正式名称を調べてみたら
やっぱりハンドだった 
アダムスファミリーのハンドさん。


記憶の中では結構能力高い 
アダムスファミリーのハンドさん。
格好なんかじゃない
中身が大事なんだと
正に身をもって証明してくれたハンドさん。
どこに中身があるのか そんな疑問も
無粋に思える存在感。
やっぱり 好きです。
アダムスファミリーのハンドさん。


アダムスファミリーのハンドさん。
小さい頃
よくやってた 手遊びで
両手の人差し指と小指を足代わりにして
小指 人差し指 小指 人差し指と
交互に動かし踊ってた。
小指をチョチョイ と動かせば
表情豊かにさえ見える 僕の手。
甥っ子はケタケタ笑ってくれる。
どうだい と嘯いてみる。
アダムスファミリーのハンドさん。


タカタカ タカタカと走る
アダムスファミリーのハンドさん。
そんなあなたを思い出し
今も微笑むことができる。
僕の手は少しは近付けていますか?
そう問うてみたい。
アダムスファミリーのハンドさん。


自由詩 アダムスファミリーのハンドさん Copyright 電灯虫 2011-06-21 23:27:38
notebook Home 戻る