Null-圧倒的祝福、そして喝采
山上鉄柵

チタンセラミックの滑車に任せて
苔むす老婆が
蜂の巣の火に舞い踊る
弾けるカロリーに注意せよ
痙攣は
靴の爪先から
凍結したシャッターへと伸びる

湿気ったパレードの凱旋歌
青磁色の亀たちが
漂流し
マザーボードの
声が聞こえてんだか
どうなんだか
羽音の隙間に
邂逅を終える

(冷蔵庫から引き剥がした
(レコードの一枚を
(露わな背中に装着する
(その心地よさ!

畦道の暴力を知らぬ声帯が
トラメガの
石灰に乗り
寞々と
紅花の火花を零す


自由詩 Null-圧倒的祝福、そして喝采 Copyright 山上鉄柵 2011-06-21 22:45:10
notebook Home 戻る