月曜日、晴れときどきくもり
橘あまね

頭のどこか奥のほうで
水が、
ごう、
と音をたてた

やさしく響く音楽のほとんどが
ほんとうは悲鳴に由来していることを
習いに学校へ行く
聴いているふりをしたり
聴いていないふりをしたり

きんこん かこん
きんこん こかこん

*雲が好き勝手とびまわっている
ことについて、どう考えますか

#雲の側では、人間たちが好き勝手あるきまわってる
きっとそうおもっています

*それはきみが好き勝手考えただけです
好き勝手していては大人になれません

#先生ぼくにはわかりません
ぼくは子どもでいたいのですか

*きみにはやる気が足りないようだから
よいお医者を紹介してあげましょう

ごうごう、と
水の音が激しさを増す
ひとりぼっちの放課後に
夏草の青さが充満した
早苗のそろった田んぼの水面に
雲が好き勝手うつりこんでる






自由詩 月曜日、晴れときどきくもり Copyright 橘あまね 2011-06-20 13:00:29
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