あった方が君
ふるる

驚きもした
五月晴れの雲間に
自転車集団
あればいいと思ったものは
ないんだけれど
君と僕との間に信号機はあって
ずっと

耳たぶを引っ張るしぐさは
多分照れ隠し
ひぐらしの声がコップからあふれ
床を濡らした

じっとされるがままになっていた君は
髪を拭いてもらってる子ども
みたいだった

家族も愛も幸せも形骸化した?
今見えてるのは骸
骸、でもないよりはまし、
なきゃほんとに
何もなし
ないよりはまし

仮想でのやりとりと現実のやりとり
優劣なんか、ないでしょ
優劣をつけたら楽
楽したい人は
あっち行ってればいいよ
仮想での君と現実の君
どちらも本当だよとても本当に
いい

友情も恋も夢も形骸化した?
今語ってるのは骸
骸、でもあった方がまし、
あるならほんとに
何でもあり
あった方が君


自由詩 あった方が君 Copyright ふるる 2011-06-18 13:57:30
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