生物化学
鳴海

いつもの席に君は現れない
私はふらふらと視線を向けながら、
その後ろの後ろの席に着いた


・・・は、一つの核となるタンパク質に、一本、あるいは多数のグリコサミノグリカン鎖が結合しているのである。またプロテオグリカンは動物の細胞外マトリックスや細胞表面に存在しているのであるから、・・・


風で揺れる君の髪を
眺められない授業なんてどうかしてる

隣の奴らのお喋りも
斜め前の奴の貧乏ゆすりも
先生の〜であるから、と言う口調も
普段は有り難いとさえ思う前の奴の居眠りも

いつもは平気なんだ
君の後ろ姿を見てられるだけで


失ったやる気は元には戻らないから
ノートの切れ端に
十五枚目の
ラブレターの下書き


自由詩 生物化学 Copyright 鳴海 2011-06-17 22:31:41
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