牛乳瓶
電灯虫
綺麗に洗われた
牛乳瓶の中から
片目で空を見る。
歪んで見える景色は
太陽の眩しさに隠された
真の素顔かもしれない。
もう片方の目で見る
眩しすぎて直視できない
煌く姿も素敵だし
素顔のあなたも大好きです。
雲が覆っても
恥ずかしがってるあなたの姿は
ばっちり見えているのです。
今空いたばかりの牛乳瓶を
急いで洗って両目で見てみれば、
後ろから声をかけてきた
牛乳配達員さんに
しどろもどろに事情を説明しきれず、
空いた瓶を返却し
たっぷりつまった牛乳を瓶ごと受け取って
もう1本ならタプタプした胃に入るから、
向こう側から迫ってくる
分厚い黒い雲に負けじと
牛乳を一気飲みする。