牛乳瓶
電灯虫



綺麗に洗われた
牛乳瓶の中から
片目で空を見る。
歪んで見える景色は
太陽の眩しさに隠された
真の素顔かもしれない。
もう片方の目で見る
眩しすぎて直視できない
煌く姿も素敵だし
素顔のあなたも大好きです。
雲が覆っても
恥ずかしがってるあなたの姿は
ばっちり見えているのです。
今空いたばかりの牛乳瓶を
急いで洗って両目で見てみれば、
後ろから声をかけてきた
牛乳配達員さんに
しどろもどろに事情を説明しきれず、
空いた瓶を返却し
たっぷりつまった牛乳を瓶ごと受け取って
もう1本ならタプタプした胃に入るから、
向こう側から迫ってくる
分厚い黒い雲に負けじと
牛乳を一気飲みする。




自由詩 牛乳瓶 Copyright 電灯虫 2011-06-16 23:51:18
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