美味しい空気のある季節
ズー
あなたはガラスの容器に
砂糖水、それと
ペニスのぼくをいれる
ぼくは肥大していく
蒲公英みたいに
いや、蒲公英だった
今日はバスタブに
ぼくを沈めた
あなたは
ぼくを導いてくれる息を
吹きかけてくれる
母だった
砂糖水の海は
やがて
ぼくを絶命させる
ほんとうは
ぼくは
あの草はらに直立し
蒲公英を食べる
草食動物になりたかった
空気を唸らせ
駆けていく
一頭のペニスに
あなたは母だった
気持ちのよい母だった
美味しい空気のある季節だった
産んでくれて
ありがとう
自由詩
美味しい空気のある季節
Copyright
ズー
2011-06-16 13:02:01