これは世界へのあてつけで
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心を肋骨の隅に隠したまま
街を徘徊するのは
あなたたちへのあてつけです

楽譜の中に落書きをして
戸惑うあなたは
滑り落ちたおとを
「ほら、みてごらんよ」
とつまむ
誘導尋問だと確信したので
弦の中に逃げた


二三時に響く赤ん坊の泣き声は
そろそろ墓地に落ち着く頃だ
わたしと一緒にきますか?
手をひくにも
その手はすり抜けてしまうほどに小さくて
諦めて爪だけ持ち帰ることにした


わたしのもとには
赤ん坊の爪だけ
コンタクトも落としてしまった
(霞む視界が丁度いい)
これもあなたへのあてつけ
肋骨では隙間だらけで
すぐに見つかってしまうならば
ゼロのなかに隠してしまいましょう





自由詩 これは世界へのあてつけで Copyright c 2011-06-14 00:46:42
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