雨の夜
透明な魚

僕たちは原始的な歓びの中で生きている
僅かな偶然の縺れ合いの世界
神様から授かった贈り物をカエシテゆこう

バスターミナルから繋がっている電話から雨の音が入ってくる
アンジェノアールの秒針が規則正しく刻む音と
パタパタと移り変わりゆくDEPARTUREの掲示板
貴方の声は寧ろ雑音の様で耳にココチ悪いよ

ナニカラナニマデナンデモナイフウケイヤシナモノ
ナニゲナイヒトコトガナイタキミヲナキヤマセル
ナゼトイウコトバハナンドモクリカエスナミノヨウニソシテツナガリヲモトメルヨウニ

私は黒い部屋の中で
フカフカの黒い絨毯の上で貴方の事ばかりを考えている
白い空間に棲んでいる貴方が
私の色に染まるようにと其れは祈りでは無くて単純な欲望
私は貴方の為に存在しているんだよ
気がついているの?

僕たちは結局の処2つしか選べない
自分の為か
誰かの為か
君はどちらを選んだのか
その道がバイパスを抜けて何処か果ての無い道に繋がっていればと思う
僕は結局生まれてからずっと僕の為にだけ生きている
人生の中にある特異点を探し続けている
その刹那だけ僕は生きているんだ
ダカライマハボクハシンデイルンダヨ

目を閉じて見える風景があるかな
貴方の電話からはもう雑音すら聞こえない
雨なんて此処からも聞こえる
雨は全てに平等に降り注ぐんだから
私の中にも降っている雨が
夜の中私は傘もささないで濡れ続けている

ズットキコエルオトガアルスベテノミナモトヲスベルオト
スキトオオルセカイノスキマニサクハナガアル
スクヨウナソノカオリハソコニスンデイタダレカノシラベ


自由詩 雨の夜 Copyright 透明な魚 2011-06-13 01:08:36
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