空遊海月
村上 和






さみしい 砂浜

月光に 横たえて
浮かび上がる
やわらかな肢体






(とてもキレイな
 、ひと。)



呼吸が、
止まるほど






「とても綺麗な
 、貝殻を拾ったの。」




ほら、






秘密に しよう
左人さし指を そっと
唇の先に

触れて

(内緒に、できる?)






くう宙を彷徨うコトの葉は

空を
ゆう雅に舞う
一匹の海月(クラゲ)に見える






「ないしょに、出来る?」
波打ち際に 打ち寄せられた
神様のコト




ねえ、






しなやか な
鼓動 が 聴こえる




きこえる




生きていたんだ ね

「楽しかったんだ、
 ね。」






さみしい 砂浜


 崩れか
   けた
  砂の、城






誰もいない月夜の海、に
聴こえている、のは
遠い
クジラの啼き声





寄せては返す
波音





すべての生命が眠るまで

紅く
セカイを
つつむ
子守唄











コドウが




聴コエル。








揺らり フワリ と。










自由詩 空遊海月 Copyright 村上 和 2011-06-11 17:15:18
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