少年と雲
朧月

想う ということは
一銭にもならないという
想う ということ
ただそれだけでいいという

想う だけじゃ
想っている だけじゃ
不安だという少年は
来る日も来る日も屋上で
想う が降りてくるのを待った
想う に見立てられた雲は
懸命に
想う を形作ろうと
もくもく もくもく
大きな空を泳いでいた
来る日も来る日も泳いでいた
少年の目の中はいつしか
白い雲でいっぱいになった



自由詩 少年と雲 Copyright 朧月 2011-06-10 10:09:15
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